英雄ポロネーズ(ショパン)とは?幻想ポロネーズ・軍隊ポロネーズの楽譜・演奏動画集
英雄ポロネーズとは?
「英雄ポロネーズ」(ポロネーズ第6番変イ長調 作品53)は、フレデリック・ショパンが1842年に作曲した曲で、翌年に出版されました。壮大なスケールと情熱的な旋律で知られています。ショパンの作曲したポロネーズの中でも非常に有名で、人気が高い作品です。
音楽的には、全体を通して半音階的な上昇進行、動機の短縮、そして低音オクターヴによる音量効果が散りばめられており、これによって管弦楽的な表現がピアノで遺憾なく発揮されています。主題が執拗に繰り返されるため、聴衆にとって理解しやすい作品になっています。
この「英雄ポロネーズ」は、力強いリズムを持ち、ポーランドの栄光を讃えるとともに、ショパンの愛国心を表現した作品とされています。
なお、「英雄ポロネーズ」の名前を付けたのはショパン自身ではなく、誰が名付けたのかは明らかになっていません。一説には、ショパンの弟子たちや、この曲を聞いて感動した人々が名付けたとも言われています。
ポロネーズとは?
ポロネーズは、ポーランド起源のダンスであり、またそれに合わせた曲の形式です。ゆっくりとした4分の3拍子が特徴で、その名前はフランス語で「ポーランド風」を意味します。16世紀後半にはポーランド王国の宮廷で行われ、後にヨーロッパ各国の宮廷で流行しました。ポロネーズはショパンの作品として特に有名で、「英雄ポロネーズ」や「軍隊ポロネーズ」などがあります。しかし、ショパン以外にも多くの作曲家がポロネーズを作曲しており、これらの曲はしばしば「ポロネーズ風」という形で表現されます。また、ダンス自体も特徴的で、挨拶を伴いながら3拍目で終わるのが一般的です。これはもともと貴族の行進から始まったもので、後に民俗的な形式となりました。ポロネーズは、スウェーデンのポルスカなど他の民族舞踊とも関連があります。その他にも、ポロネーズは様々な場面で使用され、例えば1886年にアメリカの大統領入場のための音楽として「大統領ポロネーズ」が作曲されるなど、その影響は広範に及びます。
幻想ポロネーズ・軍隊ポロネーズとは?
ショパンの幻想ポロネーズと軍隊ポロネーズも彼の有名なポロネーズの作品です。幻想ポロネーズはその名の通り幻想的で詩的な要素を多く含んでおり、中間部分には素晴らしいフーガが存在します。一方、軍隊ポロネーズはその勇ましい旋律から「軍隊」の名前がつけられ、特に有名です。
ポロネーズと言えばショパン
ショパンはポーランド出身の作曲家で、その作品はポーランドの民族音楽の影響を強く受けています。その中でも、ショパンが最も得意とした形式の一つがポロネーズであり、彼はその生涯で18曲、うち16曲のピアノポロネーズを作曲しました。彼のポロネーズはその独自性と表現力により、この形式を大いに発展させ、現在でも多くのピアニストに愛されています。