ワルツとは?代表曲、有名曲一覧
ワルツとは?
ワルツは、英語で”waltz”、フランス語で”valse”、ドイツ語で”Walzer”と呼ばれる舞曲やそれに合わせて踊るダンスで、円舞曲とも称されます。3拍子のリズムが一般的で、テンポが良く、淡々とした雰囲気が特徴です。
ワルツの起源、歴史
ワルツの起源は西オーストリアと南ドイツ(ハプスブルク帝国)で、13世紀頃から存在したヴェラーというダンスから進化してきました。この地域の農民たちがヴェラーを踊っていたとされています。ヴェラーはシンプルなリズムのダンスで、男女が接触して踊る最初のゲルマン文化のダンスとされています。しかし、その性質から長い間、ハプスブルク帝国では法律によって禁止されていました。それでもアルプスの隔絶された渓谷で、農民たちは厳しい生活の中でヴェラーを楽しみとしていました。
16世紀になると、ヴェラーはインスブルックなどの都市の住民にも広まりました。都市の住民はヴェラーを上品化することでヴァラー、そしてワルツに発展させ、ハプスブルク帝国はその人気に抗えず法律を改正し、ワルツを認めるようになりました。
ウィンナ・ワルツ
ワルツが国際的な舞台で初めて踊られたのは1814年のウィーン会議で、これをきっかけにウィンナ・ワルツとして世界に広まりました。19世紀前半には、ヨーゼフ・ランナーやヨハン・シュトラウス1世、その息子たちのウィンナ・ワルツが人気を博しました。
舞曲から、音楽作品として多く作曲
ワルツは舞曲だけでなく、ロマン派の作曲家たちにより純粋な音楽作品としても多数作曲されました。特にピアノ用のワルツは有名で、カール・マリア・フォン・ウェーバーの「舞踏への勧誘」やエクトル・ベルリオーズの「幻想交響曲」第2楽章「舞踏会」が知られています。また、ピョートル・チャイコフスキーは、ワルツを積極的に自作に取り入れ、ロシアのワルツ王と呼ばれることもあります。
ピアノワルツ
ワルツをピアノ演奏にといて人気のある演奏曲として引き立てた作曲家としては、フレデリック・ショパンの名が挙げられます。彼は一連のワルツを作曲し、その後、フランツ・リストやヨハネス・ブラームスなどもピアノ用のワルツを作曲しました。ショパンのワルツは、ウィーンでの冷遇や出版社の優先順位に対する批判から、「ウィーンの聴衆の堕落した趣味の証明」と評されることもありました。しかし、その品格あるメロディと優美なリズムは、今日でも多くのピアニストに愛されています。
ピアノワルツの代表的な曲ご紹介
ショパンワルツ 第1番 変ホ長調 Op.18「華麗なる大円舞曲」
ショパンワルツ第6番 ニ長調 Op.64-1 「小犬のワルツ」
ショパンワルツ第9番 変イ長調 Op.69-1 「別れのワルツ」
花のワルツ(チャイコフスキー)